四日市ぜんそく

 工場では、ねん料として重油をもやします。重油のなかには、いおう分がふくまれており、もやされることによって、二さん化いおう(ありゅうさんガス)になり、それが主な原因で呼吸器の病気になります。

 はじめは、コンビナートに近い塩浜地区で発生しましたが、第2コンビナートができたり、高いえんとつが作られたりして、海岸部の全いきに広がり、「塩浜ぜんそく」が「四日市ぜんそく」となっていきました。

 「四日市ぜんそく」とよばれる病気の主な物に、「気管しぜんそく」と「まんせい気管しえん」があります。
 「気管しぜんそく」は、急にむねがおさえつけられるように息が苦しくなる病気で、せきやたんが出ることがあります。 これを気管しぜんそくの発作といいます。
 まんせい気管しえんは、せきやたんが長く続いたり、息切れするなどが主なしょうじょうでたいへん治りにくい病気です。
 このほか、「はい気しゅ」(はいきしゅ)があります。これははいの細ぼうがおかされ、呼吸こんなんとなり、さんそきゅう入をしたりします。

 これらの公害病は、見た目には、発作を起こさないかぎりわかりません。発作は、夜中か明け方におきやすく、赤んぼうから小学生までの子どもと、老人がこの病気になりやすいですが、子どもは大きくなるにつれ、体力がついたりすると発作が止まったりします。

公害を記録する会の資料から