1.大気質
操業時における硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん対策として、新設発電所のほかに、既設精油所にも、排煙脱硫装置、排煙脱硝装置および電気集塵装置を設置するとしているが、地域の環境実状を考慮に入れ、なお一層の汚染物質の削減に努める必要がある。
また、工事中においては、重機使用の平準化を図り、汚染物質の集中的な排出を防止する必要がある。
2.水質
四日市港およびその周辺水域の水質保全の観点から、新設発電所および既設精油所のCOD負荷量の一層の削減を図るとともに、富栄養化防止のために、窒素、リンの負荷量についても、一層の削減に努める必要がある。
また、工事中における濁水対策にも、十分に留意する必要がある。
3.騒音
操業に当たっては、低騒音型の機器の採用、建屋内収納等の対策により、周辺環境に影響を与えないようにするとともに、低周波騒音、非定常的な騒音等への対策、対応についても十分留意する必要がある。
4.悪臭
排煙脱硝装置、電気集じん装置に用いるアンモニア及び脱硫排水処理装置にて回収するアンモニアの取り扱いに当たっては、周辺環境に影響を与えないように、受け入れ、保管、使用等各工程での管理・監視体制に万全を期す必要がある。
5.動物、植物
計画地内の湿地帯には、貴重な動物としてオオヨシキリの営巣が、また、貴重な植物としてカワツルモ、ツツイトモが確認されている。これらの生息環境を確保するため湿地帯等の整備については、ビオトープの手法も取り入れ、十分な広さを確保するとともに、供用後の維持管理についても十分留意する必要がある。
6.その他
1)二酸化炭素対策について
地球温暖化問題に対する二酸化炭素対策として、発電効率の向上等を行うとされているが、この問題の緊急性、必要性を考慮に入れ、既設精油所を含め、一層の二酸化炭素対策について努力する必要がある。
2)緑化について
新設発電所の緑化については、将来の生態系の形成基盤となるような、樹木の密植に努めるとともに、 樹種の選定に当たっては、自然植生に配慮して、常緑広葉樹を主体に落葉広葉樹、針葉樹等を取り入れ、鳥類の生息環境となるよう、多様な緑化に努める必要がある。
また、既設精油所においても一層の緑化に努める必要がある。
3)冷却等からの白煙について
新設発電所の冷却等からの白煙については、気象条件等により、付近の道路交通の障害になるおそれがあることより、白煙の一層の削減を図る必要がある。