答申が示すもの

二酸化炭素対策について

 地球温暖化問題に対する二酸化炭素対策として、発電効率の向上等を行うとされているが、この問題の緊急性、必要性を考慮に入れ、既設精油所を含め、一層の二酸化炭素対策について努力する必要がある。

 この件に関しては、市民塾の方でも質問状を提出したが、明確な答えは返ってきていなかった。 これに対して、答申は、さらなる努力をする必要があるといっているのである。しかし、具体的な数値が上がっていないため、どれくらい努力すべきか市民には分かりずらいものである。
 そこで、市民自らの暮らし方を見直すために、四日市市が出している「エコロジカルライフ わが家の自己点検」 を使って、二酸化炭素がコスモの火力発電所からどれくらいでるのかを試算してみた。

この冊子によると

 重油1リットルを燃焼させるのに
  必要な空気--------->1,200リットル
  必要な酸素--------->25リットル

 出てくる排ガス
  CO (二酸化炭素)------------------------>1,500リットル
  HO (水蒸気)---------------------------->1,200リットル
  SO (亜硫酸ガス)------------------------>6.3リットル
  NOx(窒素酸化物)------------------------>1.9リットル

となっている。

 一方、コスモ石油火力発電所建設計画の概要によると、

 燃料使用量は、54トン/時となっている。
 つまり、1時間に54トンの燃料を燃やすのである。(年間使用量は、約34万キロリットル)
 54トン=54,000キロ=54,000リットル

 計算をすると、1時間に発生する二酸化炭素の量は、

81,000,000リットルということになる。

年間使用量は、340,000,000×1,500=510,000,000,000リットルである。

 膨大な量の二酸化炭素が生じることになる。これは、試算であるため正確ではない。しかし、コスモ石油火力発電所建設計画の概要には、どれくらいの量の二酸化炭素が排出するのかが、記されていないのである。これと同様に、環境対策設備のばいえん除去率は、99%云々と書いてあるが、どれだけの量のばいえんを排出するのかは、記されていない。

緑化について

 新設発電所の緑化については、将来の生態系の形成基盤となるような、樹木の密植に努めるとともに、 樹種の選定に当たっては、自然植生に配慮して、常緑広葉樹を主体に落葉広葉樹、針葉樹等を取り入れ、鳥類の生息環境となるよう、多様な緑化に努める必要がある。
 また、既設精油所においても一層の緑化に努める必要がある

 市民塾の入手した資料によると、コスモ石油の施設の緑化率は、全体の5%しかない。
 答申では、この点を改善するべきだとしているのである。
 しかし、ここにも、具体的な数値はない。
 また、発電所緑化計画なるものは、環境アセスのあらましの中に記されていない。(中部電力川越発電所の時は記されていた)
 これらの課題に対して、具体的な緑化計画を立て、具体的な方策を市民にわかりやすく示すべきである。

 コスモ石油は、市民にわかりやすく情報を提供すべきであり、「一層の努力」をという言葉を、より具体的に示すことが望まれる。
 市長意見としては、どのような具体策をあげるかが期待される。