追悼のことば
本日、第十九回公害犠牲者合同慰霊祭を開催するにあたり、参列者一同心より哀悼の誠を棒げ致します。
昨年九月の慰霊祭以降に亡くなられた、二十二名の方々を加え、この慰霊碑内の過去帳には、合計七百八十名のお名前が記されております。
このなかには、公害のために幼い命を奪われた人、働き盛りや子育ての大事な時期に、公害病で倒れた人、平安であるべき老年期を苦しい呼吸に喘ぎ、寿命を縮められた人、公害をなくすために、命を削って活動された人など、いろいろな方々のお顔が思い出されます。
しかし、あのような四日市公害の苦悩の数々を記念するものが、私達の町には、この「慰霊碑」だけという事実は、本当に残念なことです。せめて、「公害の資料館」
を作って、世界的にもかけがえのない、市民の生と死の証の貴重な資料類を、過ちを繰り返さないために活用できるようにしたいと、多くの市民と共に切望いたします。
七百八十名の御霊のみ前に、どうか安らかに憩われるよう祈念し、追悼のことばと致します。
平成十三年九月二十二日
四日市公害犠牲者遺族の会
四日市公害認定患者の会
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