リストマーク 公害歴史資料館・設置にむけて−行政側の姿勢−

四日市公害学習センターと公害資料館

公害を記録する会・市民塾

 市民塾と記録する会は、7月24日、四日市公害の教訓に学び、再び過ちを繰り返さないようにと、公害資料館と「環境」ではなく「公害」学習センターをとの要望を市長宛に提出しました。
 10月19日、そのお願いがどうなっているのかについて聞きに行きました。

四日市市環境保全課で言われたこと

「公害は環境にふくまれているので、市環境学習センターで公害学習もやれる」
「四日市市に、市と県と、環境学習センターが2つもあるというのは、それほど環境学習に力を入れているということ」
「これまでも、海外から来られた人たち、ICETTでも研修している人たち、あるいは、児童生徒たちにも求めに応じて四日市公害の話をしていますから、これからでもやります」
「ホームページの“公害資料館”は好評で、1日800件もアクセスがあります。」
 10月19日(金)、橋詰、沢井に、課長と担当役職の職員が上記のことを話してくれました。

 

この話しでは納得できませんので、
これらについて考えてみたいと思います。

  1. 公害資料館については、四日市歴史資料館として、中央緑地にある市史編さん分室を、総務部から教育委員会(博物館)に移管して継続するとのこと。

  2. 一方、公害学習センターを設けてほしい、環境を公害に内容をリニューアルしてほしいについては、相も変わらず、今回もまた「公害は環境にふくまれているから・・・」の一点ばり。

  3. 四日市で「公害」という場合、「環境」の中にふくまれているなどと安易に言ってはならない。環境基本法・第2条の「公害」の定義では、“人の健康または生活環境に係る被害”と述べている。「公害」とは被害を被ることであり、ケナフの栽培・紙づくり・ペットボトル・ゴミ分別・ 水棲昆虫調査などといったことではない。

  4. そうしたものは、四日市でなくても、どこでもできる環境学習であり、四日市公害学習は四日市でなければ、四日市でこそやられなくてはならないものなのに、本町にある四日市市環境学習センターにも、桜町の三重県環境学習情報センターにも、四日市公害学習をするに足るものはない。

  5. 四日市公害の話は、これまでもやっているし、これからもやっていきますと環境保全課は言っているがだいじょうぶなのだろうか。公害は被害を被ったことであり、「行政は、企業や住民とともに公害防止に努めてきました」では公害学習とは言えないわけで、水俣市立水俣病資料館が、水俣病患者や運動団体の人たちのボランティアによる語りべをしているように、市環境学習センターでやっていってくれるのだろうか。ぜひやってほしい。

  6. 市の“ホームページ・公害資料館”が好評である。環境学習センターがあつかっている内容での“環境資料館”を発信してもまあアクセスはないであろう。なによりも“公害”であり、内容も被害者のありよう、公害裁判、子どもの作文、写真などもあるからこそである。