四日市市が「公害資料」をインターネットで公開準備

 中日新聞によると、四日市市は、2001年から、四日市公害や同市の環境への取り組みをネット上で紹介するHP(ホームページ)の開設に取りかかるようである。 この件に関しては、市民塾の方にも取材があったので注目していた。

 「四大公害を学習するなら、このHPへ」と紹介しているところがある。水俣病、イタイイタイ病などのHPを開設しているところは、どこも行政であるが、四日市は市民塾が紹介されている現状がある。遅ればせながら、HPの開設である。しかし、上記のHPを開設しているところは、公害資料館なるものが存在し、あくまで、HPはそれに付随するものである。
  公害資料館は、財政難から実現は難しいということであるが、HPを開設すればそれでいいと安易に考えているとすれば、私たちは、四日市のこの動きを注意深く見守っていかなければならない。実際に、HPの内容は「経済成長と公害の発生」「公害の克服」などを考えているようだが、「公害克服キャンペーン」、「公害イメージ払拭」ということに使われてしまうのではないかという危機感を持っている。公害患者切り捨てるような行為は許されない。

 市民塾のHPへのアクセス数は、小学5年生の「工業の発達と公害」の授業が始まる10月頃から急増する。1日に1000件以上のアクセス数を記録したこともあった。メールによる質問が多くなるのもこのころである。また、その後は、大学生や高校生からの卒論や環境学習の一環として、質問や意見もメールで寄せられる。学生が市民塾に参加して、コスモ石油の火力発電所計画について学習していったこともあった。HPを見た教員が実際に市民塾を訪れて、資料を借りていったり、メールで資料をほしいので送ってほしいと言ってきたりすることもあった。
 年が明けると、市民塾のHP への1日のアクセス件数は、70〜200件の間である。昨年は、数件〜20件であったことを考えると、いろんなところで市民塾のHPが紹介され(リンクされ)、広がっていっているのだと実感している。
 HPを開設するということは、以上のような相互交流がネット上に限らず生まれてくるのである。情報を発信するということだけにとどまれは、一方通行の情報となり、誰も見向きしなくなってしまうである。

 どのようなねらいをもって、HPを開設するべきか、開設するとするならば、どんなHPであるべきなのかを市民塾で話し合っていきたいと思う。