被告企業六社の誓約書

石原産業

誓約書

一、今回、石原産業が控訴を断念しましたのは、米本判決の基本精神とその全趣旨を全面的に受け入れ、今後の企業の姿勢を根本的に改めるという反省のもとになしたものです。

二、今回の裁判の当事者であった被害者以外の磯津の全公害被害者の救済については、裁判待ちではなく被害者住民の要求に対して応じさせていただきます。当社の窓口は本社総務部長といたしますが、要望のあリ次第現地に参り、社長の全責任を体して交渉にあたり、当社として十分な補償支払いをさせていただきます。

三、公害源発生対策については従米の当社の企業努力が十分でなかったことを認め、今後は行政規制より、より厳しい排出基準をすみやかに設定するほか、公害発生源の除・脱硫装置・酸化チタンダスト回収装置等の改善を確約いたします。
この当社の公害防止の努力を点検確認するため、公害防止設備について、原告ら住民代表及びその指定する科学者に対し、立入検査の原則を認め、その費用は当社において負担させていただきます。

昭和四十七年七月二十八日

大阪市西区江戸堀上通一丁目十一番地の一
石原産業株式会社
右 代表取締役 社長 石 原 健 二

中部電力

誓約書


一、今回、中部電力が控訴を断念しましたのは、米本判決の基本精神とその全趣旨を全面的に受け入れ、今後の企業の姿勢を根本的に改めるという反省のもとになしたものです。

二、今回の裁判の当事者であった九名の被害者以外の磯津の全公害被害者の救済については、裁判待ちではなく中部電力として他社の先頭にたって被害者住民の要求に対して交渉に応じさせていただきます。中電の窓口は、総務室部部長とし社長の全責任において交渉し、十分な補償支払いをさせていただきます。
他の五社との協議は内部問題として責任をもってまとめさせていただきます。

三、真に四日市の青空をとり戻すために中部電力としては、公害防止に全力を傾けます。公害防止対策費用を大幅に増額し使用重油のサルファ含有量を更に低下させること等を確約します。
中部電力の公害防止の努力を点検確認するため原告ら住民代表およびその指定する科学者達がおいでいただく時に喜んでご案内いたします。
右点検確認に要する費用は当社が負担いたします。

昭和四十七年七月二十八日

中部電力株式会祉
代表取締役社長 加 藤 乙 三 郎

昭和四日市石油

誓約書


一、今回昭和四日市石油鰍ェ控訴をしないこととしましたのは、米本判決の基本精神とその全趣旨を全面的に受け入れ今後の企業の姿勢を根本的に改めるという反省のもとになしたものです。

二、今回の裁判の当事者であった九名の被害者以外の磯津の全公害被害者の救済については裁判待ちでなく昭和四日市石油鰍ニして誠意をもって被害者住民の要求に対して交渉に応じさせていただきます。
昭和四日市石油鰍フ窓口は本社総務部長とし社長の全責任において交渉し十分な補償支払いをさせていただきます。

三、真に四日市の青空をとりもどすために昭和四日市石油鰍ニしては公害防止に全力を傾けます。公害防止対策費用を大幅に増大し使用重油のサルファ含有量をさらに低下させるなどして当社四日市工場における硫黄酸化物等排出量を更に低減させることを確約します。
このため当社は四日市工場に現存する三十一万バ−レル規模の施設による今後の増産については右低減の具体的根拠を地元住民代表に示し御理解いただくよう最善の努力をした上で決定致します。

四、昭和四日市石油鰍フ公害防止の努刀を点検確認するための原告ら住民代表及びその指定する科学者達がおいで頂くときには喜んでご案内致します。
右点検確認に要する費用は当社が負担します。

(なお、昭和四七年七月二十五日に手交した二万バ−レルに関する誓約書ほ本誓約書に吸収されますので、これと差替えることと致します。)

昭和四十七年八月二十二日

昭和四日市石油株式会社
代表取締役社長 倉八 正

三菱油化

誓約書


一、今回、当社は、米本判決が企業の将来へ向けての姿勢を問うているものと考え、その基本精神とその全趣旨を全面的に受け入れ、この判決に服し控訴しないことにいたしました。
当社は従来の姿勢を反省し、今後公害防止にあたっては、米本判決の基本精神とその趣旨を十分尊重し全力を尽くします。

二、今回の裁判の当事者であった九名の被害者以外の磯津の全公害被害者の救済については裁判待ちではなく、米本判決の趣旨に則り、誠意をもって話しあいに応じ、すみやかに十分な補償支払いをさせて頂きます。
この話合いにあたりましては、他の五社との協議は内部問題としてまとめ、そのために遅滞することのないようにいたします。
なお、窓口は本社総務部長といたします。

三、当社は真に四日市に青空をとりもどすため公害防止費用を大巾に増額し使用重油のサルファ含有量をさらに低下させる等公害防止に全力を尽くします。
このため大気汚染等公害を増大させるような施設及び生産量の増大については住民の意向を無視してはこれを行いません。
この公害防止努力を確認するため原告ら住民代表弁護団、支援団体の方々の立入調査をみとめます。
なお、構内においては保安、安全等のため当社係員が御案内いたします。
右に要する費用は当社が負担します。

四、河原田進出は白紙撤回します。

昭和四七年八月二一日

三菱油化株式会社
取締役社長 黒 川 久

三菱化成

誓約書


一、今回、当社は、米本判決が企業の将来へ向けての姿勢を問うているものと考え、その基本精神とその全趣旨を全面的に受け入れ、この判決に服し控訴しないことにいたしました。
当社は従来の姿勢を反省し、今後公害防止にあたっては、米本判決の基本精神とその趣旨を十分尊重し全力を尽くします。

二、今回の裁判の当事者であった九名の被害者以外の磯津の全公害被害者の救済については裁判待ちではなく、米本判決の趣旨に則り、誠意をもって話しあいに応じ、すみやかに十分な補償支払いをさせて頂きます。
この話合いにあたりましては、他の五社との協議は内部問題としてまとめ、そのために遅滞することのないようにいたします。
なお、窓口は本社総務部長といたします。

三、当社は真に四日市に青空をとりもどすため公害防止費用を大巾に増額し使用重油のサルファ含有量をさらに低下させる等公害防止に全力を尽くします。
このため大気汚染等公害を増大させるような増設及び生産量の増大については住民の意向を無視してはこれを行いません。
この公害防止努力を確認するため原告ら住民代表、弁護団、支援団体の方々の立入調査をみとめます。
なお、構内においては保安、安全等のため当社係員が御案内いたします。
右に要する費用は当社が負担します。

昭和四七年八月二一日

三菱化成工業株式会祉
取締役社長 篠 島 秀 雄

三菱モンサント化成

誓約書


一、今回、当社は、米本判決が企業の将来へ向けての姿勢を問うているものと考え、その基本精神とその全趣旨を全面的に受け入れ、この判決に服し控訴しないことにいたしました。
当社は従来の姿勢を反省し、今後公害防止にあたっては、米本判決の基本精神とその趣旨を十分尊重し全力を尽くします。

二、今回の裁判の当事者であった九名の被害者以外の磯津の全公害被害者の救済については裁判待ちではなく、米本判決の趣旨に則り、誠意をもって話しあいに応じ、すみやかに十分な補償支払いをさせて頂きます。
この話合いにあたりましては、他の五社との協議は内部問題としてまとめ、そのために遅滞することのないようにいたします。
なお、窓口は、本社総務部長といたします。

三、当社は真に四日市に青空をとりもどすため公害防止費用を大巾に増額し使用重油のサルファ含有量をさらに低下させる等公害防止に全力を尽くします。
このため大気汚染等公害を増大させるような増設及び生産量の増大については住民の意向を無視してはこれを行いません。
この公害防止努力を確認するため原告ら住民代表、弁護団、支援団体の方々の立入調査をみとめます。
なお、構内においては保安、安全等のため当社係員が御案内いたします。
右に要する費用は当社が負担します。

昭和四七年八月二一日

三菱モンサント化成株式会社
取締役社長 岩 崎 忠 雄